DXとデジタルイノベーションの違いとは?3つのDXパターンも併せて解説
こんにちは。ココエのライターチームです。
本記事はこんな方々に向けて書かれています
- 自社でもDX推進に取り組みたいが、そもそもDXとはどういうことだか知りたい方
- DXは「改革」だというが、どういう意味だかわからない方
- DXでイノベーションを起こすために、まずやるべき打ち手を知りたい方
目次
デジタルイノベーションとDXの違いとは
デジタルイノベーションとは
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
デジタルイノベーションとしてのDX
デジタルイノベーションにおけるDXの分類
パターン1:新たなビジネスモデルを生み出す
パターン2:既存の事業プロセス全体の改革・効率化を行う
パターン3:組織イノベーションで働き方を改革
なぜDXに取り組まなければならないのか
DXのパターン別・取り組むための第一歩
パターン1:新たなビジネスモデルを生み出す
パターン2:既存の事業プロセス全体の改革・効率化を行う
パターン3:組織イノベーションで働き方を改革
まとめ
デジタルイノベーションとDXの違いとは
この頃、よく耳にするのが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」。2018年に経済産業省が「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」で推奨するなど、大きな注目を集めています。デジタル技術によってイノベーションを起こすことやDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入は、企業が発展を続けていくためにもはや不可欠です。
しかし、まだまだその考え方は十分に浸透していません。「どんな概念なのか」「具体的に何をすればいいのか」と迷っている方もきっと多いはず。本記事ではデジタルイノベーションとDXの違いを踏まえた上で、わかりやすく解説します。
デジタルイノベーションとは
そもそも「イノベーション」とは、技術革新によって社会に新しい価値やきっかけを作り出そうという考え方のことで、経済学者であるヨーゼフ・シュンペーターによって定義された概念です。「新機軸」「新結合」「新しい切り口・捉え方」「新しい活用法」など、多くの意味合いを含有する言葉ですが、日本では「技術革新」や「経営革新」などの旗印として使われてきました。そして「デジタルイノベーション」とは、デジタル技術を活用したイノベーションを指します。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、デジタル技術を活用して、社会全体を変えていくことを表す考え方で、「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という仮説から始まった概念です。
経済産業省が打ち出した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver. 1.0」によると、“企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること”と解説されています。
情報処理推進機構(IPA)の「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」では、“AI や IoT などの先端的なデジタル技術の活用を通じて、デジタル化が進む高度な将来市場においても新たな付加価値を生み出せるよう従来のビジネスや組織を変革すること”との定義付けです。
ビジネスシーンにおいては、単なる業務の効率化や生産性向上だけでなく、DXによって組織や文化・制度など、新たな企業価値を作り出すことが期待されています。近年では、こういったDXを活用したビジネスモデルが注目されており、多くの企業で導入が進められているという背景があります。
デジタルイノベーションとしてのDX
上記を踏まえると、デジタルイノベーションとDXは、「デジタル技術を活用して変革を作り出す」という意味では、ほぼ同義です。あえて言うなら、DXとはデジタルイノベーションを内包した概念であり、デジタルイノベーションの中核をなす施策であると言えます。
DXとデジタルイノベーションの違い
DX:デジタル技術によってビジネスや組織の変革を狙う
デジタルイノベーション:デジタル技術を活用したイノベーション
DX=デジタルイノベーションの中核をなす施策
デジタルイノベーションにおけるDXの分類
デジタルイノベーションの観点では、以下三つのパターンにDXを分類できます。それぞれの概要を解説します。
パターン1:新たなビジネスモデルを生み出す
パターン2:既存の事業プロセス全体の改革・効率化を行う
パターン3:組織イノベーションで働き方を改革
パターン1:新たなビジネスモデルを生み出す
このパターンのDXは、デジタル技術を活用して新たな製品やサービスを作り出し、顧客体験の深化や市場の創出を通して、新たなビジネスモデルを生み出すことを目的とします。DXによって狙う効果の中でも、主要な取り組みだと言えます。
パターン2:既存の事業プロセス全体の改革・効率化を行う
IoTやAIなどの最新デジタル技術を利用して、バックエンドの事業プロセス全体の効率化を狙うパターンのDXです。管理部門や営業・マーケティングなど、既存システムの抜本的な見直しが求められます。事業プロセス全体のイノベーションによって、新たなビジネスモデルや製品・サービスを作り出すことにも繋がり、パターン1のDXとも繋がってきます。
パターン3:組織イノベーションで働き方を改革
組織イノベーションのためには、業務フローや体制の見直しを通して、組織にイノベーションを起こす業務改革が急務です。部署の枠組みを超えた全社的な調整が必要となるので、DX推進を中心となって管轄する部門の設置や体制の整備、経営トップの積極的な参画が求められます。DX推進プロジェクトを進めるためには、その性質上スピーディーな意思決定が必要であり、DX推進を成功させた企業の多くは、経営トップがトップダウンで取り組んでいた、とする近年の調査もあります。
企業がこれまで蓄積してきたノウハウや成功体験などは大きな財産でもありますが、ときに価値観の硬直を招き、DXを推進するための妨げとなる場合があります。それらを打破し、強力にDXを推進するためには、イノベーションが起こせる組織作りと社内の啓蒙、デジタル人材の活用が欠かせません。
なぜDXに取り組まなければならないのか
企業がDXに取り組んで社内にイノベーションを促進することは、新たなビジネスモデルの構築や顧客価値の創出をなし得ることになります。それはつまり、市場の中で競争上の優位を獲得することにも繋がります。それによって現代社会のさまざまな課題が解決できるという観点からも、DXへの取り組みが求められています。
事業会社におけるDXの取り組み状況
2021年度に情報処理推進機構(IPA)が実施した『デジタル時代のスキル変革等に関する調査』でも、各企業のDXへの取り組み状況が分析されています。
全体の半数である55.6%の企業がDXを推進していると読み取れますが、従業員300名以下の企業では39.1%に留まるなど、普及はまだまだこれからといった段階です。
では具体的に何から・どのように取り組んだらいいのでしょうか。DX推進のための第一歩を、次のパートでご紹介します。
DXのパターン別・取り組むための第一歩
まずは、顧客にどういった価値を提供していくかというCX(カスタマーエクスペリエンス)の観点から、商品やサービス、市場・技術動向の分析を行いましょう。パターン別にDXに取り組むための考え方を解説します。
パターン1:新たなビジネスモデルを生み出す
デジタル技術によって顧客にどのような価値を提供できるのか。そういった視点でのビジネスモデルの再検討が最初の一歩です。ターゲットとなる顧客の課題と解決策、そのためにはどんな技術が必要なのかを、改めて分析することが求められます。当然、既存業務の見直しも必要となるため、次項の事業プロセス改革と連携して進めていきます。
パターン2:既存の事業プロセス全体の改革・効率化を行う
事業プロセスの改革とは「ビジネストランスフォーメーション」とも呼ばれ、デジタル技術によって業務改革を遂げることが狙いとなります。具体的には、金融システムにおける決済業務のデジタル化や、流通のPOSシステムなどがその最たる例です。事業における個々のプロセスのデジタル化・データ化・スマート化を検討し、実現するための取り組みと言えます。
パターン3:組織イノベーションで働き方を改革
組織におけるデジタルイノベーションは、まずは以下の三点を取り入れることが第一歩となります。
- OCRによるペーパーレス化
- FAXの電子化
- 組織内IT基盤の再構築
日々の業務のデジタル化によって、社内全体がデジタル技術に慣れ、ナレッジが蓄積されます。それによって、DX推進の必要性が啓蒙される下地となります。まずはバックオフィス系の業務などから導入を進めましょう。OCRによるペーパーレス化とFAXの電子化から、IT基盤の再構築、業務プロセス自体の見直しに着手していきましょう。企業が持つさまざまな情報をデータとして蓄積していくことで、ゆくゆくは情報資産として活用する道も開けてきます。
また、データ化された情報は、外部のマーケティングツールと連携していくことで、さらに活用の幅が広くなります。さまざまなマーケティングツールがありますが、ツールの導入には費用がかかりますし、運用リソースの確保や社内に浸透させるための教育コストもかかります。ですが、長期的に見て業務効率化や新規事業創出につながる場合は、積極的に導入していくことです。
導入したマーケティングツールなどの最新のツールを使いこなすためには、デジタル人材の活用・育成も必要になります。まずは社内人材や中途採用などで回そうとする考えもありますが、少子高齢化やIT需要増などの事情によって、社会全体でIT人材の供給は慢性的に逼迫しているのが現状です。特にAIやIoTなどといった先端技術を活用できる高度なデジタル人材に関しては、今後もますます引く手あまたであり、採用は厳しい状況が続くと予想されています。
そのため、しっかりと課題感を共有できる外部パートナーとの連携を検討する企業も増えています。実際に大手企業では、DXによる事業開発を目指して、外部の人材を活用する流れが加速しています。
まとめ
以上、DXとイノベーションに関して、その概要や取り組み方に関していろいろとご紹介しました。デジタルイノベーションやDXの推進は会社全体を巻き込んだ大きなプロジェクトになりがちですが、難しく考え過ぎず、まずは手を付けやすいところからスモールスタートで始めてみてはいかがでしょうか。
しかし、DX人材がいない、デジタル技術を使いこなすノウハウを持っていない、などの理由でDXを推進できない企業も決してめずらしくありません。人材という課題面に対しては、DX実践にフォーカスしたDX人材育成プログラムを導入することで、効率的・効果的に進めていくこともできます。
ココエの「DX人材育成プログラム」は、e-learning形式でいつでも学ぶことができる「座学」とワークショップ形式の「実践」を組み合わせた実戦型DX教育プログラムです。経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営するデジタル人材育成ポータルサイト「マナビDX」でも「デジタル入門/基礎講座」としてココエのDXリテラシー基礎講座を採用しています。まずは無料体験版からお試しください。
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