【初心者向け】レスポンシブデザインとは|サイトの作り方と基礎知識をわかりやすく解説
レスポンシブデザインとは、さまざまなデバイスに合わせて、自動的に画面サイズや解像度を調整するデザインのことです。
スマートフォンやタブレット端末の普及により、今ではさまざまなデバイスの画面サイズに合わせてWebサイトを表示する必要があります。もしパソコン以外のデバイスでサイトを開いた時にデザインが崩れていたら、その時点でユーザーは離脱してしまうでしょう。ユーザーにWebサイトを快適に利用してもらうためにも、レスポンシブデザインの導入は早めに行う必要があります。
そこで本記事では、レスポンシブデザインの概要や重要性、実装する方法などを網羅的に解説します。最後まで読み進めると、レスポンシブデザインの重要性を理解した上で、自社のWebサイトに導入できるようになるでしょう。
▼目次
1.レスポンシブデザインとは
2.レスポンシブデザインが重要な理由
2-1.スマホユーザーがほとんどであるため
2-2.モバイルファーストインデックスの評価指標であるため
3.レスポンシブデザインの種類
3-1.レスポンシブ
3-2.リキッド
3-3.フレキシブル
4.レスポンシブデザインのメリット
4-1.サイト管理が手軽になる
4-2.SEOに効果的である
5.レスポンシブデザインのデメリット
5-1.デザインの制限がある
5-2.スマホページの表示遅延の可能性がある
5-3.コーディングに時間がかかる可能性もある
6.レスポンシブデザインを実装する方法
6-1.レスポンシブ対応したテンプレート・テーマを利用する
6-2.コードをレスポンシブ対応にする
7.まとめ
1.レスポンシブデザインとは
レスポンシブデザインとは、さまざまなデバイスに合わせて、自動的に画面サイズや解像度を調整するデザインのことです。
今ではユーザーが検索に使用するデバイスは、PCだけでなく、スマートフォンやタブレットと多様化しています。スマートフォンやタブレットが普及する前は、Webサイトの表示画面をPC画面のサイズに統一していれば問題ありませんでした。しかし現在ではスマートフォンやタブレットにも、画面サイズを対応させる必要があります。
PC画面では問題なく表示されても、モバイル画面ではエラー表示になったり、デザインが崩れたりしていたら、ユーザーが離脱する可能性を高めてしまいます。ユーザーにとってもWebサイトにとってもマイナスという状態を回避するために、レスポンシブデザインを導入する必要があります。
2.レスポンシブデザインが重要な理由
レスポンシブデザインが重要な理由は、以下の2つです。
- スマホユーザーがほとんであるため
- モバイルファーストインデックスの評価指標であるため
それぞれ詳しく解説します。
2-1.スマホユーザーがほとんどであるため
以下のグラフは、総務省が令和4年に調査したインターネットの利用率の推移を表したものです。
出典:令和4年 情報通信に関する現状報告の概要|総務省
前項でも触れたとおりモバイルなどのデバイスが普及し始め、今ではおよそ70%の人がスマートフォンからインターネットにアクセスしています。
サイトのアクセス数を増やすには、Webページをスマートフォンに対応させることが必須だと言っても過言ではないでしょう。
2-2.モバイルファーストインデックスの評価指標であるため
スマートフォンユーザーの増加に伴って、GoogleはモバイルファーストのWebサイトを重要視するようになりました。その結果、2016年に設定されたのが、モバイルファーストインデックスです。
これまではPC用に作られたサイトの内容から、コンテンツの質が評価されていました。しかし、モバイルファーストインデックスの導入後は、スマートフォンサイトの質も検索結果に影響するようになります。そのため、SEOで評価されるためには、スマホに合わせたデザインが必要になりました。
実際にGoogleの公式サイトでも以下のように記載されています。
“Google は、モバイル サービスの新技術を開発し、新たなソリューションを提供しています。スマートフォンから Google 検索にさまざまな方法でアクセスできるだけでなく、メールを読んだり、カレンダーでイベントを確認したり、動画を見たりなど、世界中のあちこちからスマートフォンをさまざまな用途に使えるようになりました。”
引用元:Googleが掲げる10の事実|Google
検索結果からの自然流入を増やすためにも、パソコンだけではなくスマートフォンなどのモバイルを意識する必要があるので、レスポンシブデザインは重要です。
3.レスポンシブデザインの種類
レスポンシブデザインの種類は、以下の3つです。
- レスポンシブ
- リキッド
- フレキシブル
レスポンシブデザインにおいて、これらの種類のことを「レイアウト」と呼びます。
それぞれ詳しく解説します。
3-1.レスポンシブ
レスポンシブレイアウトは、デバイスの画面幅に応じてCSSを切り替えるレイアウトのことです。
CSS(Cascading Style Sheets)とは、Webサイトの文字の色や大きさ、配置などを決める言語のことです。CSSを切り替えるピクセル数は「ブレイクポイント」と呼ばれ、このブレイクポイントの値を指定することで、ユーザーの使用デバイスに適した表示を可能にします。
3-2.リキッド
リキッドレイアウトとは、表示するデバイスの画面幅に合わせてサイト全体の幅を変化させるレイアウトのことです。
PCのような横長の画面に合わせたサイトを、スマートフォンのような縦長の画面で表示した時には、画面を横にスクロールしないと全体が閲覧できない場合があります。リキッドレイアウトを適用すると、画面に合わせてレイアウトが変化するので、画面幅ぴったりに表示されます。
3-3.フレキシブル
フレキシブルレイアウトとは、リキッドレイアウトと同様にデバイスに合わせてサイト全体の幅を変化させ、さらに画面の最大幅と最小幅も設定できるレイアウトのことです。
例えば、リキッドレイアウトで横長のPC画面に表示をすると、画面が広がりすぎてかえって見づらくなる場合があります。そのような場合に、フレキシブルレイアウトを活用することで余白を作り、より見やすいサイト表示にすることが可能です。
設定した最大幅よりも大きな画面で表示した場合には、まわりに余白を作るので洗練されたレイアウトが表示されます。
4.レスポンシブデザインのメリット
レスポンシブデザインのメリットは、以下の2つです。
- サイト管理が手軽になる
- SEOに効果的である
それぞれ詳しく解説します。
4-1.サイト管理が手軽になる
レスポンシブデザインを導入すると、HTMLなどのコードの管理が手軽になります。
HTMLやCSSがそれぞれ1つしかないので、サイト管理や更新作業、コンテンツの修正、メンテナンスなどが簡単で手間がかかりません。サイト管理が手軽になることで、人件費を抑えたりサイト管理にかかる時間を集客施策にあてたりと、仕事の効率という面でもメリットがあります。
4-2.SEOに効果的である
先述したとおり、モバイルファーストの観点からSEOにも良い影響を及ぼします。
レスポンシブデザインを取り入れて、スマートフォンやタブレットにWebサイトが対応することで、Googleから評価されます。Googleからの評価が高まると、検索結果で上位表示を狙える可能性が上がるので、SEOにも効果的であると言えます。
5.レスポンシブデザインのデメリット
レスポンシブデザインには、メリットだけではなく、以下のようなデメリットもあります。
- デザインの制限がある
- スマホページの表示遅延の可能性がある
- コーディングに時間がかかる可能性もある
それぞれ詳しく解説します。
5-1.デザインの制限がある
レスポンシブデザインは、すべてのデバイスで同一のHTMLを利用するため、大幅なレイアウトの変更は難しいことがデメリットです。
好みのデザインやフォントがある場合に、それらが使えないケースもあります。
そのため、あまりにも凝ったデザインにしてしまうと、スマートフォンやタブレットでは崩れて表示される恐れがあります。また、十分な知識やスキルがないと、トラブルが起きた時に対処できない場合があるので注意が必要です。
レスポンシブデザインを取り入れる際は、なるべくシンプルで汎用性のあるデザイン制作をおすすめします。
5-2.スマホページの表示遅延の可能性がある
レスポンシブデザインを導入すると、スマートフォンでのサイトの表示速度が遅くなる可能性があります。
なぜなら、Webサイトを読み込む際にPC用とスマートフォン用のどちらのHTMLやCSSも読み込む必要があるからです。同時に2つを読み込むため、サイトの読み込み速度に影響が出る可能性があります。
読み込み速度は、ユーザーの離脱率に影響するため、SEOの観点から考えるとマイナス評価です。ただし、レスポンシブデザインを取り入れたからといって、必ずしもサイト速度が遅くなるとは限りません。
5-3.コーディングに時間がかかる可能性もある
レスポンシブデザインは、デバイスごとにデザインを考えてコーディングする必要があるので、実装までに時間がかかります。
コーディングとは、HTMLやCSSなどデザインを表示させるために機械に指示を出すための言葉を書く作業です。PCだけでコーディングしても、スマートフォンやタブレットには反映されません。必ずすべてのデバイスでコーディングをする必要があるため、時間がかかります。
しかし、一度すべてのデバイスでコーディングが完了すれば、あとの管理は手間がかかりません。
6.レスポンシブデザインを実装する方法
レスポンシブデザインを実装する方法は、以下の2つです。
- レスポンシブ対応したテンプレート・テーマを利用する
- コードをレスポンシブ対応にする
それぞれ詳しく解説します。
6-1.レスポンシブ対応したテンプレート・テーマを利用する
レスポンシブデザインを実装する方法として、レスポンシブに対応したテンプレートを使う方法があります。
WordPressなどのCMSを活用してWebサイトを作成する場合は、設定しているテーマやテンプレートを変更するだけで適用される場合があります。CMSを活用している場合は、まずは現在使用しているテーマやテンプレートがレスポンシブ対応しているか、テーマやテンプレートを変更するだけで対応できないか、確認してみましょう。
また、おしゃれなテンプレートをすぐに使いたいという方は、以下の記事も参考にしてみてください。
>>>【すぐに使える】おしゃれなHTMLテンプレート配布サイト9選
6-2.コードをレスポンシブ対応にする
レスポンシブデザインを実装する方法として、コーディングで対応することも可能です。
コーディングでレスポンシブ対応するには、以下の2つの手順を踏みます。
- meta viewportタグの追加
- CSSファイルで指定
meta viewportタグを記述することで、閲覧ユーザーが使用しているデバイスの情報を取得でき、その情報から画面横のサイズを把握できます。さらに、CSSファイルで指定することで、デバイスごとの画面表示の変更が可能です。
結果として、上記2つのコーディングを実装することで、レスポンシブ対応ができます。
7.まとめ
今回は、レスポンシブデザインに関して網羅的に解説しました。
レスポンシブデザインを導入することで、ユーザーファーストのサイトになりSEO対策としても効果的です。Webサイトを検索結果で上位表示して集客を狙ったり、ユーザーにとって利用しやすいサイト設計を目指したりするのであれば、避けて通れないものです。
とはいえ、実装するのはハードルが高いと感じる方や、レスポンシブ対応後の運用や効果測定が難しいと感じる方もいるのではないでしょうか。
株式会社ココエでは、サイト制作から運用・マーケティングまでを一貫して支援することが可能です。レスポンシブデザインの導入だけではなく、Webサイト運用でお困りの方は、ぜひお問い合わせください。