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DXの定義とは?IT化とは何が違う?進め方や成功事例も解説

自社でDXを推進している、もしくは今後DXに取り組みたい企業の経営者やDX担当者の中には、いまいちDXの定義や意味が理解できないと思っている人もいるのではないでしょうか?

この記事では、以下の内容について解説していきます。

  • DXとは何か
  • DXが求められる背景
  • DXの進め方
  • DX推進にあたっての課題
  • DXでの企業変革の成功事例

DXについて理解するだけでなく、DXを自社でスムーズに推進したい方はぜひ参考にしてみてください。

▼目次

1.DXとは
 1-1.DXの経済産業省の定義
 1-2.DXとIT化の違い
  【IT化とは】
  【デジタイゼーション】
  【デジタライゼーション】
2.DXが求められる背景
3.DXの進め方
 3-1.DXによって実現したいビジョンを明確化する
 3-2.経営戦略を立てる
 3-3.DXに対応できる組織体制を整える
 3-4.DX人材を育てる
 3-5.施策のPDCAを回す
4.DX推進にあたっての企業が抱えがちな課題
 4-1.DXによる経営戦略を経営者が立てる
 4-2.古いシステムから脱却する必要がある
 4-3.DX人材の育成を積極的にする
5.DXで企業変革を起こした成功事例
 5-1.イオン
 5-2.ソフトバンク
6.DX推進には社内の人材育成が重要

1.DXとは

ここではDXの定義や、IT化との違いを見ていきましょう。また、IT化と似た言葉のデジタイゼーション、デジタライゼーションについても詳しく違いを説明します。

1-1.DXの経済産業省の定義

DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略です。2018年に経済産業省が公表した定義では、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」としています。

つまり、DXとはデータやデジタル技術を活用することで、ビジネスモデルや業務など企業そのものを変革することで、企業価値を高め、市場での競争力を向上させる取り組みのことなのです。DXは、国家規模でも取り組みがなされていて、経済産業省が研究会を設置するなど、社会全体でDX実現を急務として推進されています。

1-2.DXとIT化の違い

DX推進において、その過程であるIT化やデジタル化がゴールとなってしまっている企業が少なくありません。DXにおいては、IT化はプロセスです。企業の業務や組織に変革をもたらし、市場での競争力や企業価値を高めることがDXの目的であることを忘れてはいけません。今一度、IT化や、類似する「デジタイゼーション」・「デジタライゼーション」についてそれぞれ確認しましょう。

【IT化とは】

IT化は、デジタル技術やIT技術を活用することを指します。「デジタル化」も同じ意味です。例えば、クラウドベースのアプリケーションを導入することで、従業員のリモートワークを可能にし、場所や時間を問わず作業できる環境をつくったり、紙の書類をすべてpdfで電子書類化したりすることがあげられます。DXはIT化を含むものであり、IT化はDXの一部であるという関係にあります。

【デジタイゼーション】

デジタイゼーションとは、アナログで行ってきた個別の業務をデジタル化することです。IT化とほぼ同じような意味で捉えられています。

例えば、ウェブサイトにお客様のお問い合わせに対してAIで自動でチャット対応してくれるツールを導入して、アナログからデジタル対応に変えることもデジタイゼーションです。こちらもDXの中の過程の一部です。

【デジタライゼーション】

デジタライゼーションとは、IT化を通じて部署間もまたぐような全体のワークフローを変えていくことを指します。

デジタライゼーションも、DXの過程の一部です。DXでは、個別の業務のIT化をまず進め、さらにデジタライゼーションによって大きなワークフローのIT化を進めます。IT化を通じてビジネスモデルや企業文化そのものを変えて、企業の競争力を強化します。

2.DXが求められる背景

DXが今急務として推進されている背景にあるのが「2025年の崖」です。これは経済産業省のDXレポートの中で使われている言葉で、2025年までにDXを実現しないことで起こり得る甚大なリスクを表しています。

日本の企業の使っているITシステムは、自社内や特定の部署だけで使われているような時代遅れなものになっていて、レガシーシステムと呼ばれています。レガシーシステムを今後も使い続けると、各種サポートはしだいに終了し、同時にIT人材も不足していくため、システムの維持に多大なコストが掛かるのです。さらにシステムの維持に労力をかけると、最新のデジタルテクノロジーに対応することが困難になるといわれています。

そのため2025年までにデジタル技術やデータを活用して、企業の変革に取り組むDX実現が急務となります。2025年までにDXを実現できないと、その後さらにデータが膨大になるため扱いきれなくなります。すると、DX実現がますます困難になり、デジタル市場の敗者となるといわれているのです。

3.DXの進め方

では、DXは具体的にどのように進めていくと良いのでしょうか。以下で、DXを効果的に推進していく手順を解説していきます。それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。

  1. DXによって実現したいビジョンを明確化する
  2. 経営戦略を立てる
  3. DXに対応できる組織体制を整える
  4. DX人材を育てる
  5. 施策のPDCAを回す

3-1.DXによって実現したいビジョンを明確化する

DXの実現には、明確なビジョンが必要です。DXの実現の形は、企業によってそれぞれ異なります。まずは自社や顧客の課題を洗い出しましょう。そして、DXを通じて自社ではどのような価値を提供していきたいのか、自社や顧客のどのような課題を解決していきたいのかという目的や目標を経営者が具体的に設定することが求められます。

DXは全社的に取り組んでいく必要があるため、ビジョンを明確化したら組織全体がそれにむかって取り組めるように、従業員へDXの目的やビジョンをわかりやすく説明することも忘れてはいけません。

3-2.経営戦略を立てる

DXのビジョンを掲げた上で、次は経営戦略を立てます。この戦略は、DXに必要なリソースや投資、技術的なアプローチ、業界や競合他社との比較などを考慮して作りましょう。DXを推進するにあたって、どのようなデジタルツールを取り入れていくのかデジタル戦略も合わせて立てます。

その際に、DX推進の成果を具体的な数値で測定できるように、KPIも設定することが大切です。自社のDX推進の度合いを自己診断できる「DX推進指標」を利用すると、自社のDX推進の現状を定性的にも定数的にも把握できます。

また、「DX推進指標」はWeb申請システム「DX推進ポータル」 にアクセスして自己診断の結果を送信することで、全体データとの比較が可能となるベンチマークレポートが取得可能です。(※)自社と他社の差を把握し、次のアクションを見出すことができるため、ぜひ活用しましょう。

(※)IPA「DX推進指標のご案内」

3-3.DXに対応できる組織体制を整える

DXを推進するにあたって、社内で専門のチームを作るとスムーズに進行しやすくなります。経営者が明確化したDXの目的や目標は、末端の従業員にも共有し、社内一丸となって一人一人が自分ごととして取り組めるように意識を変えることが必要です。専門のチームを作ることで、現場の従業員にも、DXのビジョンをより浸透させやすくなります。

専門チームに入れるメンバー選びも大切です。最新のデジタル技術やデータの活用といったハードスキルに長けた人がまずは必要です。さらに自社にあったDXを推進するため、社内のシステムや事情をよく知っている各部署の人も取り込む必要があります。また、全社的にDXを推し進めるにあたって、経営層や部署間でのコミュニケーションが増えるため、コミュニケーション能力に長けた人も重要です。DXという新しいことを社内で進めるため従業員を牽引できるリーダーシップがある人や、困難を恐れないチャレンジ精神のある人も求められます。

3-4.DX人材を育てる

専門チームを作ると同時に、メンバーとして適任者が自社にそろっているとは限らないため、従業員の育成も必須です。

人口減少で労働力自体が不足しており、さらにITに長けた人材も足りていないため、社外からDX推進の適任者を新たに雇うのは困難です。そこでDXに必要なスキルを自社の従業員に身に付けさせることが必要となってきます。自社内でDXに関するトレーニングや教育プログラムを実施することで、デジタル技術やデータを使いこなし、それらを使って自社や顧客の課題を解決できるDX人材を育てることが不可欠です。

3-5.施策のPDCAを回す

DXを推進するための戦略を立て、専門チームを作って社内でのDXの施策を取り組むにあたって、PDCA(Plan-Do-Check-Act)を意識することが重要です。PDCAとは、施策の計画・実行・評価・改善を繰り返すことを意味します。DX施策を実施した後に、その成果を確認し、改善することができる点を把握し、次の施策に繋げていくことで、DXの成功に向けた取り組みを継続的に進めることができるからです。

4.DX推進にあたっての企業が抱えがちな問題の解決策

経営者のDXに対する理解が不十分でDXの戦略を立てない、古いITシステムを使い続ける、DX人材の育成が不十分といった、DXを推進する企業が陥りやすい問題について、どう対応していくべきか以下のポイントに沿って解説していきます。

  • DXによる経営戦略を経営者が立てる
  • 古いシステムから脱却する必要がある
  • DX人材の育成を積極的にする

4-1.DXによる経営戦略を経営者が立てる

DXを通じて自社のどのような価値を高めるのか、どのような課題を解決していきたいのかといったビジョンをまず明確にする必要がありますが、それを設定するのは経営者です。DXを一部の部署に任せて進めさせようとしたり、経営者自身がDXへの理解を深められていなかったりすることが、DXを推進する企業の中に見受けられます。

DXというのはビジネスモデルや企業文化など、根底から企業を変革する取り組みのため、全社一丸となって取り組める体制を作ることが必要です。まずは経営者がDXを通じた経営戦略をしっかりと打ち出すことが求められます。

4-2.古いシステムから脱却する必要がある

レガシーシステムと呼ばれる古いITシステムを使い続けると、DXの実現を阻むでしょう。レガシーシステムは独自のカスタマイズがされていて使い方がとても煩雑だったり、全社横断でデータを活用できなかったり、技術面で老朽化していたりなどの多くの問題を抱えています。

今後もレガシーシステムを使い続けると、維持管理のコストが高額になります。それによって管理や運用が甘くなるとシステムトラブルやデータ損失などのリスクも高まるでしょう。DX推進のためには古いシステムから脱却し、新しい技術やツールを導入して進める必要があります。

4-3.DX人材の育成を積極的に行う

DX実現のためには、経営層やDX専門チームのメンバーだけでなく、一人一人の従業員がビジョンを持って施策に取り組む必要があります。そのためには、DXに関する社内での従業員教育が不可欠です。

まずは、従業員に自社のDX推進の目的や具体的な施策についてしっかりと共有し、理解をしてもらう必要があります。さらに、デジタル技術やデータ活用についてのスキルを学ばせて、業務で活用できるように研修や指導をしましょう。最終的には、そういったスキルを使って業務をこなすだけでなく、自社や顧客の課題を解決するために積極的に利用できるようになることを目指します。そうなるとDX人材として大きな戦力となるでしょう。

ココエではDX人材を育てるプログラムを提供しています。現場で使えるDX教育をしていきたいと考えている方は、ココエのプログラムをぜひご活用ください。

5.DXで企業変革を起こした成功事例

DXで企業変革を起こした成功事例を以下で紹介していきます。

5-1.イオン

イオンは、DXを通じてデジタルマーケティング戦略を採用し、顧客の行動や消費傾向を分析することで、顧客ニーズに応えるサービスを提供しました。また、モバイルアプリを開発し、顧客がいつでも手元から簡単にイオンのサービスにアクセスできるようにして売上げのアップをはかりました。

さらに、デジタル技術を活用した注文・配送システムを整備したことで、オンラインでスムーズに買い物をすることができるようになり、売上げに貢献しています。

これらの取り組みによって、イオンは顧客満足度の向上とともに、ビジネスの成長を達成することができました。DXを通じて行ったイオングループの変革は、顧客中心のビジネスモデルの構築や顧客エクスペリエンスの向上に成功した例として知られています。

5-2.ソフトバンク

通信事業で知られるソフトバンクは、モバイル通信サービス、グループ会社のYahoo!、LINEやPayPayといった顧客基盤とAI、5G、ビッグデータなどのデジタルテクノロジーを活用して、医療ヘルス、小売り・飲食、社会インフラ、物流などの分野でDXを通じて新規事業を行っています。

例えば社会インフラの水道事業でのDXの取り組みを見てみましょう。高度経済成長期時代に整備された水道インフラは老朽化し、本当ならば補修・更新しなければならない時期を迎えていますが、水道料金収入だけではそのコストを賄えない自治体が数多く存在します。ソフトバンクはIoTやAIを駆使した水処理技術を利用することで、既存の水道インフラから独立した水供給システムを構築しました。水道インフラの維持コストを賄えない過疎地域や、自前の水道管の維持に課題を抱えるリゾート施設などで役立ち、日本全体の水道インフラの向上に貢献しています。

6.DX推進には社内の人材育成が重要

DX実現をしていくためには、従業員が一人一人自社のDXの目的と目標を理解して、全社的にDX推進をしていく必要があります。そのためには、社内の人材育成は不可欠です。

ココエでは、現場実践型のDX教育プログラムを提供しています。プログラムでは、従業員へのDXリテラシーの底上げと DX推進人材の育成が実現できるため、ぜひ活用を検討してみてください。

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