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DXの必要性とは?「2025年の崖」やDX実現のポイントを解説

この記事は、ビジネスや経営の現場でDX推進に携わる方に向けて、DXの必要性についてわかりやすく解説します。世界規模でDXが進む中、日本は大きく後れをとっていると言わざるを得ません。何が起こるかわからない経営環境のなかで、企業価値を高め、市場での優位性を向上させていくためには、あらゆる産業でDX推進は避けては通れない取り組みとなっています。

ここでは、以下の内容などを解説します。

  • DXの定義や目的
  • 2025年の崖
  • DX実現に向けての施策ポイントや注意点

この記事でDXの必要性を十分認識することで、DX実現に向けての具体的なアクションのイメージがよりつかみやすくなるでしょう。

▼目次

1.DXとは
 1-1.DXの定義
 1-2.DXの目的
2.DXがもたらすビジネス価値
 2-1.競争優位性の強化
 2-2.顧客体験の向上
 2-3.新たなビジネスチャンスの創出
3.DXの必要性の背景にある「2025年の崖」とは
 3-1.「2025年の崖」とは
 3-2.要因1:人口減少と労働力不足
 3-3.要因2:レガシーシステムの限界
 3-4.要因3: IoTデバイスの普及とセキュリティリスク
 3-5.要因4:インダストリー4.0と競争激化
4.DX成功のための事前準備のポイント
 4-1.DXの目的と戦略を明確にする
 4-2.組織全体の支持を得る
5.DX成功のためのプロジェクト実施のポイント
 5-1.小さく始めて段階的に拡大する
 5-2.適切なデータ管理とセキュリティ対策をする
 5-3.適切なデジタル技術の選定と導入をする
6.DXに必要な人材育成と組織変革のポイント
 6-1.デジタルスキルを向上しDX人材を育成する
 6-2.組織文化を変革する
7.日本でのDX推進の現状
8.DXの必要性を理解し成功に導こう

1.DXとは

DXを単なるIT化と捉えている企業は少なくありません。アナログで行っていた作業をデジタル化することがDXの真の目的ではありません。ここでは、DXについて正しく理解できるよう、詳しく解説します。

1-1.DXの定義

DX(Digital transformation:デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術やデータを活用しながら、企業の組織文化や経営戦略などを変革することによって、企業価値や市場の競争力を高める取り組みのことです。

IT化は単に情報技術を用いて業務プロセスを自動化することを指します。一方、DXとは、デジタル技術やデータを活用し、ビジネスプロセスやビジネスモデルを変革することで、新たな価値を生み出すことを目指したものです。つまり、IT化はプロセスに過ぎないと言えます。企業がDX化に取り組むことで、市場の変化に柔軟かつ迅速に対応し、競争力を強化することができるのです。

1-2.DXの目的

DXは、デジタル技術を活用して、新しいビジネスモデルを生み出し、イノベーションを促進することで、企業の市場での競争力を高め、成長を促進することを目的としています。

この目的を達成するために、DXは企業のビジネスプロセスや経営戦略を変革し、迅速な意思決定やスピーディーな業務プロセスを実現することを目指します。DXは、企業の成長に必要不可欠な戦略であり、今後ますます重要性が高まっていくことが予想されます。

2.DXがもたらすビジネス価値

DXは、ビジネスプロセスのデジタル化、データの活用などを通じて、さまざまな面で企業の変革を促します。あらゆる産業で取り組みが求められるDXですが、実現することによってどのようなメリットがあるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

2-1.競争優位性の強化

DXでプロセスを効率化することで、生産性の向上が見込めます。例えば、従来の手作業による作業をデジタル技術やAIツールなどで自動化することで、生産性を大幅に向上させられます。

また、最新のテクノロジーを活用して膨大なデータの収集や複雑な解析を瞬時に行えるため、迅速な意思決定が可能です。さらに、データを活用することで、これまで見えなかった新しい市場の開拓や商品・サービスの開発につなげることも可能になります。これらを通して、めまぐるしく変化する市場環境のなかで、いち早く的確な経営判断ができるため、競争優位性を強化することにつながるのです。

2-2.顧客体験の向上

DXは、顧客体験の向上にもつながります。まず、オンラインショッピングのパーソナライゼーションが可能になります。パーソナライゼーションとは、顧客一人ひとりの属性や嗜好に合わせて最適化した製品やサービスを案内することにより、興味を持った顧客に購買行動を促すことです。

これにより、顧客は商品を探す手間なく自分に合った商品を見つけやすくなります。顧客の購入頻度やスパンに応じて、適切な時期に新たな商品を提案することも可能です。

DXにより、顧客とのマルチチャネルコミュニケーションも可能となります。マルチチャネルコミュニケーションとは、顧客との接点を複数持つことを意味します。例えば、電話、FAX、メールだけでなく、昨今はTwitterやInstagramなどのSNSも活用して、気軽に顧客とやり取りする企業も増えています。

また、Webサイトにチャット機能を付けて、訪問した顧客の疑問に瞬時に対応するなど、顧客の利便性を良くすることで、顧客ロイヤリティの向上も狙えるでしょう。

2-3.新たなビジネスチャンスの創出

DXを通じて、ビッグデータを活用したマーケティング戦略やデータ分析によって、新たなビジネスモデルやサービスの提供が可能となり、市場拡大や新規参入など多くのビジネスチャンスが生まれます。例えば、デジタル技術を活用したサービスやSNS上でのマーケティング戦略、人工知能や機械学習などの技術を活用することで、既存製品の改良や新しい製品・サービスの開発が可能となり、顧客ニーズに合った製品・サービスの提供が可能となります。

また、ビッグデータを活用したマーケティング戦略によって、顧客のニーズをより正確に把握し、より効果的なマーケティング施策を展開することもできます。顧客の需要を正確につかむことで、新たなビジネスチャンスを創出することができるのです。

3.DXの必要性の背景にある「2025年の崖」とは

「2025年の崖」は、今の日本企業が抱える大きな問題として見過ごすわけにはいきません。「2025年の崖」は経済産業省が2018年に問題提起および注意喚起したものです。以下では、「2025年の崖」について、概要や要因を詳しく解説します。

3-1.「2025年の崖」とは

「2025年の崖」とは、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」で使われた言葉で、2025年を境に多くの企業がDXに関連する問題や課題に直面すると予測される現象です。2025年までにDXを実現していない企業は、これ以降DX実現がより困難となり、膨大に増えるデータを扱うことができなくなると言われています。これによって、デジタル社会についていけずに取り残され、市場での競争力を失ってしまう可能性が高まるのです。

「2025年の崖」を回避するためには、企業は自社内の課題を把握し、DXを推進するための計画を立てて実行する必要があります。「2025年の崖」は、大企業だけでなく中小企業や個人事業主も影響を受ける可能性があります。この現象には、以下のような要因が関与しています。

3-2.要因1:人口減少と労働力不足

2025年の日本は、年齢別比率が比類なく変化し「超高齢化社会」を迎えます。ここを分岐点として、社会構造や体制が劇的に変わり、さまざまな影響を受けることが懸念されます。

この問題は企業だけでなく日本にとっても深刻であり、国民1人あたりのGDPが低下することを意味します。この減少に打ち勝ち企業が存続するためには、効率的な業務遂行や生産性向上のためにデジタル技術を活用したDXへの取り組みが急務であると警鐘を鳴らしています。

来るべき2025年に備えて、企業はこの現実から目を逸らさず、いち早く準備を進める必要があるでしょう。

3-3.要因2:レガシーシステムの限界

「2025年の崖」を引き起こす要因の1つとして、多くの企業が依然として古いITシステム(レガシーシステム)を利用している現状があります。過去に大金を投じて導入したレガシーシステムは、近年のデジタル技術の進歩により、新たなビジネスモデルへの対応や市場変化への適応が難しくなっています。

レガシーシステムを使い続けることで、メンテナンスコストが増加し、修理やアップデートが困難になり、専門スキルを持った人材が不足するなど、企業にとってリスクが高まっています。また、レガシーシステムは柔軟性に欠けるため、新しい機能やビジネス要件に対応しにくく、システム間の統合も難しいという問題があります。

このような問題を解消するためには、レガシーシステムの刷新が必要です。昔の感覚では、かなりの高額投資をしてシステムを確立したかと思われます。しかし、現代ではもっと安価でDXできる方法があるため、企業は最新の技術に追いつきビジネスの成長を促進するためにも、早めのDXが望まれます。

3-4.要因3: IoTデバイスの普及とセキュリティリスク

2025年には、IoTデバイスが急速に普及し、取り扱うデータ量も大幅に増加することが予想されています。これに伴い、企業がDX推進に取り組む上で注意が必要なのが、セキュリティリスクとデータ管理です。

IoTデバイスは、機器や家電製品などさまざまなモノに搭載され、インターネットに接続することで、遠隔から操作や監視ができるようになっています。しかし、IoTデバイスは通常のPCなどとは異なり、セキュリティに脆弱性が見られる場合があります。

その場合、悪意ある攻撃がIoTデバイスを乗っ取り、ネットワークに侵入することも不可能ではありません。企業が導入するIoTデバイスにもセキュリティリスクが存在するため、確かな知識を持った管理者による適切な対策が必要です。

また、データの漏洩や改ざん、消失などに備えるなど、データの取り扱いに対しても徹底した管理が重要になります。十分な対策ができていない企業は深刻なリスクに直面する可能性があり、信用を失うことにもなりかねません。

3-5.要因4:インダストリー4.0と競争激化

インダストリー4.0とは、ドイツ政府が提唱する製造業の国家戦略プロジェクトで、第4次産業革命とも呼ばれるものです。IoTやAI、ロボットなどのIT技術を製造プロセスに組み込み、効率的で自律的な生産を実現することを目指しています。

インダストリー4.0の進展により、産業界はデータ活用や自動化、AI技術の導入が進み、競争が激化することが予想されます。これにより、適切なDXへの取り組みができていない企業は、市場での立ち位置を失うリスクが高まります。

インダストリー4.0の概要や課題、事例などを把握し、自社の製造プロセスやビジネスモデルを見直し、適切にDXを進めることが急務です。

4.DX成功のための事前準備のポイント

レガシーシステムを刷新し新たなシステムに移行してDXを推進することは、困難な道のりと予想される方も多いでしょう。どう進めていくのが効果的か正解が見い出せないという声も聞かれます。

DXを成功させるためには、事前の準備をしっかりと行なうことが重要です。ここでは、事前準備のポイントを解説します。

4-1.DXの目的と戦略を明確にする

DXを行うには、まず企業の現状と目指すべき未来像を具体化する必要があります。どのような問題を抱えているのかを洗い出し、どのようなニーズがあるのか、顧客にどのような価値を提供したいのか、どのような競争優位性を持ちたいのかなどを有耶無耶にせず最初に明確にしておかなければなりません。

そして、その未来像に向けてどんなデジタル技術をどう活用するのか、DXの目標と戦略を具体的に設定しましょう。これらの内容は、関係者全員が共通の理解と認識のもと、同じゴールを目指すためにも、文書化して共有することが大切です。

4-2.組織全体の支持を得る

DXは組織全体の変革を伴うため、従業員の誰もが抵抗なく受け入れられるとは限りません。人間が携わってきた業務がITに取って代わられてしまうと危機感を持つ人もいます。そこでスムーズなDX推進のためには、経営層や従業員の理解と協力が不可欠です。

経営層にはDXの必要性やメリット、投資対効果などを説明し、DXに対するリーダーシップを求めましょう。従業員には、DXの目的や戦略、影響や役割などを伝え、DXに対する意識やスキルを高めましょう。

また、社内コミュニケーションを活発化させ、従業員の意見やフィードバックを取り入れることで、DXへの期待を高めることができます。

5.DX成功のためのプロジェクト実施のポイント

DXを成功させるためには、プロジェクト実施においていくつかのポイントを押さえる必要があります。それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

5-1.小さく始めて段階的に拡大する

DXプロジェクトは、一気に大規模な変革を目指すのではなく、小さく始めて段階的に拡大していくことが重要です。そうすることで本格的なプロジェクトに移行する際のリスクを最小限に抑えることができます。

まずは、パイロットプロジェクトを実施し、効果や課題を検証し、改善策を見つけていくことが必要です。パイロットプロジェクトでは、対象範囲や期間を限定し、目標や指標を明確に設定します。

そして、実際にデータを収集し、分析し、評価し、必要であればプロジェクトの内容や方針を修正しましょう。これらを繰り返し成果が出た段階で、プロジェクトを拡大していきます。

5-2.適切なデータ管理とセキュリティ対策をする

プロジェクト実施においては、データの収集、分析、活用方法を具体的に検討することが重要です。取得したデータは、新たな価値やサービス、ビジネスモデルを創出するための大切な資源となります。

データの正確性や品質を高めるためにも、データ管理を適切に行う必要があります。また、社内のあらゆるデータを一元管理するということは、そこに従業員の個人情報や会社の機密情報などのデータも含まれるため、データ管理には細心の注意を払わなければなりません。

顧客や従業員の個人情報が流出しないよう、セキュリティ対策を十分に行い、リスクを最小限に抑える必要があります。

5-3.適切なデジタル技術の選定と導入をする

DXにおいては、企業の目的やニーズに応じて、最適なデジタル技術を選定することが求められます。DXプロジェクトに伴う種々の施策に対して、外部に委託することなく内製化したいところですが、そこまでのリソースがない場合それも難しいでしょう。

デジタル技術の選定にあたっては、専門家やベンダーと連携して、その技術がどのように企業のビジネスに貢献するのかを詳細に検討したうえで、適切な導入を行うほうがリスクが少ないといえます。

少しでも懸念点がある場合は、プロトタイプを作るなどして、検証を行いながら進めていくことも有効です。

6.DXに必要な人材育成と組織変革のポイント

DXを実現するためには、デジタル技術に精通した人材の確保や育成、組織文化の変革が必要不可欠です。しかし、どのように取り組んでいけば良いのか、多くの企業は悩んでいることでしょう。ここでは、DXに必要な人材育成と組織変革のポイントについて解説します。

6-1.デジタルスキルを向上しDX人材を育成する

DXを実現するためには、デジタルスキルを向上し、DX人材を育成することが必要です。社員全員がDXについて理解し、デジタルスキルを向上するための研修やセミナーを提供することが大切です。具体的なスキルとしては、プログラミングやデータ分析が挙げられます。

組織内でのDX推進の環境づくりも必要であり、上層部がビジョンや方針を示し、社員がアイデアを出し合いやすい雰囲気づくりが重要です。さらに、組織内での情報共有やコミュニケーションの仕組みを整えることも重要です。これらを実践することで、企業はDXに必要な人材を育成し、組織変革を成功に導くことができます。

6-2.組織文化を変革する

DXはもはや企業が今後も生き残るための使命といえます。デジタル技術を正しく理解してもらい、変革を受け入れられる柔軟な組織文化を作り上げることが大切です。また、失敗を恐れず、イノベーションを促進する環境を整備しましょう。

部署間や世代間の壁をなくし、意見交換がしやすい環境を作ることで、新しいアイデアが生まれたり、新しいビジネスモデルが誕生したりするきっかけにつながります。

7.日本でのDX推進の現状

日本全体の企業におけるDXの取り組みは、まだあまり進んでいません。特に中小企業や地方の企業ではDXの取り組みがなされていない企業が多いです。業種別で見ると、情報通信業や金融業・保険業は他の業種よりDX推進が進んでいますが、全く取り組みに手がつけられていない業種も多くあります。

DXに取り組んでいる企業を見ると、業務効率化、コスト削減のほか、企業文化の変革、働き方の多様化など、一定の効果を上げている企業もあります。ただし、IT化がうまく機能したという要素が強く、顧客満足度の向上や新しいビジネスモデルの創出といった企業変革まではまだ到達していない企業が大半です。

また、DX推進の課題として、デジタルスキルを持つ人材の不足がありますが、日本企業では社内外の研修の充実を挙げている企業がある一方、特に何もしていないという企業も見られます。

これらから言えることは、日本のDXは、社内システムのデジタル化、業務の効率化などに積極的ではあるものの、まだまだ社内の利便性を追求している段階の企業が大半のようです。

本来のDXの目的である顧客満足度向上のためのデータの活用、顧客のニーズに応える新たなサービスの拡大などに進化させることが今後の課題です。

8.DXの必要性を理解し成功に導こう

昨今のデジタルテクノロジーやAIの発展はめざましく、これらを取り入れて業務や経営に活かすことは、あらゆる産業、規模の企業で必要不可欠です。DXの取り組みは急務であり、最先端のデジタル技術を理解して、現場で活用できるDX人材の確保も必要となります。それぞれの企業にあった形で適切にDXを進めていくには、従業員を教育してDX人材を育成することが求められます。

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