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離脱率とは?直帰率との違いや確認方法・改善策をわかりやすく解説

離脱率の分析はWebサイトの運営に欠かせません。離脱率はコンバージョン率や売り上げにも関係するため、問題点や課題を把握し、繰り返し改善していく必要があります。

しかし、離脱率を下げる対策はコンテンツ制作や導線設計など多岐にわたるため、どこから始めればよいのかわからない担当者も多いのではないでしょうか。

本記事を読めば以下の内容がわかります。

  • 離脱率の概要、計算方法
  • 離脱率直帰率との違い
  • Googleアナリティクスでの離脱率の確認方法
  • 特に離脱率に気を付けたいページ
  • 離脱率が高くなる原因・対策

自社サイトの運用改善にお役立てください。

▼目次

1.離脱率とは
 1-1.離脱率と直帰率の違い
  1-1-1.離脱率の計算式と算出方法
  1-1-2.直帰率の計算方式と算出方法
 1-2.離脱率の目安と平均
2.Googleアナリティクスで離脱率を確認する方法
 2-1.Webサイト全体の離脱率
 2-2.各ページの離脱率
 2-3.モバイルユーザーの離脱率
3.離脱率の改善を意識すべきページ
 3-1.LP(ランディングページ)
 3-2.ページビュー数が多いページ
 3-3.CV(コンバージョン)直前にあるページ
4.離脱率が高くなる原因と改善策
 4-1.タイトルと記事の内容がマッチしていない
 4-2.サイトのコンテンツが不足している
 4-3.関連ページへの導線がわかりにくい
 4-4.外部サイトへの導線が多い
 4-5.ページが重く読み込みに時間を要する
5.離脱率を分析・把握し自社サイトの改善につなげよう

1.離脱率とは

Webマーケティング用語で使われる離脱率とは、Webサイトを訪れたユーザーが、そのページを最後に離脱する割合のことです。離脱とは、サイト内のページに移動せずにセッション(1回の訪問)が終了することを指します。

セッションのカウントは計測ツールによって多少異なります。Googleアナリティクスの場合、「外部サイトに移動したとき」「30分以上Webサイト内のページビューがないとき」「日付が変わったとき」をセッション終了とみなします。

離脱率は、どのページで見込み客が離れていきやすいのか調べるための指標です。離脱率が高いページを改善すれば、コンバージョン数(商品購入や問い合わせなど)を増やしたり、サイトの滞在時間を延ばしたりできます。

このため、離脱率はWebサイト運用のKPI(重要業績評価指標)として使われる指標の一つと言えるでしょう。

1-1.離脱率と直帰率の違い

直帰率とは、ユーザーが初めて訪問したページだけを見て、そのまま離脱した割合です。「直ぐに帰る」の名称どおり、1セッションで1ページしか閲覧せずに離脱した割合です。

直帰率と離脱率の違いを以下にまとめます。

  • 直帰率:当該ページで始まったセッション数に対して、当該ページだけ閲覧して離脱した数
  • 離脱率:当該ページの総ページビュー数に対して、当該ページで離脱した割合

両者の違いは計算式で比べると、より理解できるでしょう。次に離脱率と直帰率の計算式を、具体例を交えて説明します。

1-1-1.離脱率の計算式と算出方法

離脱率の計算式は次のとおりです。

​離脱率(%)=当該ページの離脱数÷当該ページの総ページビュー数×100

離脱率を計算する際は、以下の手順で行います。

  1. 当該ページの離脱数を集計
  2. 当該ページの総ページビュー数を集計
  3. 計算式にあてはめて計算

例えば、以下のようなアクセスがあったとします。

セッション1:ページA→離脱                                        セッション2:ページB→ページA→離脱                           セッション3:ページA→ページB→離脱

ページAの離脱率は、次の手順で計算します。

  1. 当該ページの離脱数はセッション1と2の2回
  2. ページAの総ページビュー数は3回
  3. 離脱率=2÷3×100=約66%

1-1-2.直帰率の計算方式と算出方法

直帰率の計算式は次のとおりです。

直帰率(%)=当該ページの直帰数÷当該ページで開始された総セッション数×100

直帰率を計算する際は、以下の手順で計算します。

  1. 当該ページの直帰数を集計
  2. 当該ページで開始された総セッション数を集計
  3. 計算式にあてはめて計算

例えば、以下のようなアクセスがあったとします。

​セッション1:ページA→離脱                                                           セッション2:ページB→ページA→離脱                                                         セッション3:ページA→ページB→離脱

ページAの直帰率は、以下の手順で計算します。

  1. 当該ページの直帰数はセッション1の1回
  2. ページAで始まった総セッションはセッション1、3の2回
  3. 離脱率=1÷2×100=50%

1-2.離脱率の目安と平均

離脱率はWebサイトのページ状態を把握するために欠かせませんが、目安になる数値や平均は特にありません。離脱率を算出するページの特徴によって離脱率は変わるため、ある値以下ならよく、ある値以上なら高いといった基準を設けられないからです。

例えばECショップの注文情報確認ページは、ユーザーの購入意志が固まった状態で表示されるため、離脱率は低くなります。一方、商品紹介ページは購入意欲が低い人からも閲覧されるため、離脱率は高くなるでしょう。

したがって、離脱率の目安・平均として活用しやすいのは、自社サイトの過去の離脱率や、類似ページの離脱率です。適切な目標設定をするには、自社サイトのページごとの離脱率を継続的に調べる必要があります。

2.Googleアナリティクスで離脱率を確認する方法

離脱率の計算式や計算手順について、面倒に感じた方もいるかもしれません。しかし、Googleが提供している無料のアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」を使えば、画面操作だけでWebサイト全体の離脱率、各ページの離脱率、モバイルユーザーの離脱率を確認できます。

2-1.Webサイト全体の離脱率

GoogleアナリティクスでのWebサイト全体の離脱率とは、以下の計算式で求められる数値です。

Webサイト全体の離脱率=総離脱数÷Webサイト全体のページビュー数

仮にある期間の総離脱数が1,000回で、総ページビュー数1万回なら、Webサイト全体の離脱率は10%です。

Googleアナリティクスで確認する手順を以下に示します。

  1. Googleアナリティクスの左メニュー→「行動」→「概要」をクリック
  2. サマリーのなかの「離脱率」を確認

Webサイト全体の離脱率は、1回のページビューごとに何%離脱するか、全体の傾向を知りたいときに参照します。

2-2.各ページの離脱率

各ページの離脱率は、先に解説したように、「離脱率=当該ページの離脱数÷当該ページの総ページビュー数×100」で算出する数値です。

各ページの離脱率を確認する手順は次のとおりです。

  1. Googleアナリティクスの左メニュー→「行動」をクリック
  2. メニューの「サイトコンテンツ」をクリック
  3. 画面右側の上部の「+セグメントの追加」をクリック
  4. メニューの「すべてのページ」をクリック
  5. 画面右側にページ一覧が表示されるので、当該ページの離脱率を確認

各ページの離脱率は、どのページの離脱率が高いかを調べるために使います。例えば離脱率が高い順にソートして、問題のあるページを抽出するなどが可能です。

2-3.モバイルユーザーの離脱率

モバイルユーザーの離脱率とは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスからのアクセスデータだけで離脱率を算出したものです。

モバイルユーザーの離脱率は以下の手順で確認できます。

  1. Googleアナリティクスの左メニュー→「行動」をクリック
  2. 画面右側の上部の「+セグメントの追加」をクリック
  3. 「モバイルトラフィック」にチェック
  4. 左メニューの「概要」や「すべてのページ」を選んで離脱率を確認

モバイルユーザーの離脱率は、モバイルユーザーにとって利便性の低いWebページがないか確認するために用います。

例えば、スマートフォンで見づらいレイアウトのWebページは離脱率が高くなりがちです。モバイルユーザーの離脱率をチェックすると、このような問題を発見できます。

3.離脱率の改善を意識すべきページ

離脱率が高いことが必ずしも悪いとは限りません。例えば決済完了画面は、そこでユーザーが目的を達成するため離脱率が高くて当然です。

また、外部サイトに誘導させたいページなら、離脱率が高いほど望ましい状況といえるでしょう。

したがって、離脱率の改善を意識すべきページとは、ユーザーに自社サイト内のページに移動してもらいたいページです。

なかでも売り上げ、コンバージョンに影響を与えやすいページが重要です。その代表的なページとして、ここでは「LP(ランディングページ)」「ページビュー数が多いページ」「CV(コンバージョン)直前にあるページ」を解説します。

3-1.LP(ランディングページ)

LP(ランディングページ)とは、自社商材を1ページ程度でアピールする広告ページです。多くの場合、Web広告や検索結果の自社サイトをクリックすると表示され、商品購入ページや、資料請求フォームなどに誘導します。

つまり、LPとは、見込み客に購買行動を起こしてもらうためのページです。したがって、LPの離脱率が高い状況は、接点を持てた見込み客に逃げられていることを意味します。

LPの改善は業績向上にダイレクトにつながりやすいため、優先的に取り組みましょう。

3-2.ページビュー数が多いページ

ページビュー数が多いページは、集客力が高いページです。例えば、メディアサイトでページビューが多い記事は、検索結果の上位に掲載されていたり、他サイトからリンクを貼られていたりしているなどして、多くの流入が期待できます。

ページビュー数が多いページは、内部リンクを使ってサイト内を回遊させるのに適したページです。また、このページを入口にして、自社商品の紹介ページに誘導できるでしょう。

つまり、ページビュー数が多いのに離脱率が高いことは、多くの機会損失が発生している状況です。

反対に考えると、ページビュー数が多いページを改善すれば、Webサイト全体のページビュー数を増やしやすくなります。結果的にコンバージョン数の増加も期待できるでしょう。

3-3.CV(コンバージョン)直前にあるページ

CV(コンバージョン)直前にあるページとは、ECサイトなら購入手続き画面です。また、BtoB企業のサイトなら資料請求や問い合わせのフォームにあたります。つまり、サイト運営側としては、ここで離脱してほしくない、成果が出るまであと一歩のページです。

例えば、カートに入れた後に離脱される「カゴ落ち」が多い状況は、優先的に改善するべきです。具体的には決済方法が複雑になっていないか、返品交換などユーザーが知りたい情報をすぐに確認できるかなどを見直します。

また、使い勝手のよい入力フォームに改良する「EFO(入力フォーム最適化)」も重要です。具体的には、CTAボタン(「購入」「申し込み」など)を目立つようにしたり、入力補完機能を付けたりして離脱を防ぎます。

>>>CVの改善など、さらに詳しく知りたい方はこちら

コンバージョン率(CVR)とは?計算式と6つの改善方法を徹底解説!

4.離脱率が高くなる原因と改善策

ここでは離脱率が高くなる代表的な原因と、その改善策を解説します。原因を特定して改善策を実施し、ビフォー・アフターを検証することで、離脱率を改善していけるでしょう。

4-1.タイトルと記事の内容がマッチしていない

ユーザーは自分が求めている情報を得られるかどうかを、タイトルから判断します。求めていた情報とタイトルが食い違っていれば、その時点で離脱してしまいます。このミスマッチが特に疑われるのは、短い滞在時間で離脱するユーザーが多いケースです。

実施したい対策は、コンテンツ内容が正しくユーザーに伝わっているかの見直しです。コンテンツを要約するタイトルになっているか、具体性があるか、SEO対策キーワードを含んでいるかを確認します。

また、ユーザーに警戒感や不快感を抱かせていないかもチェックしましょう。誇張表現や押し売り感が強い表現などは、離脱を引き起こしやすい要因です。

4-2.サイトのコンテンツが不足している

コンテンツが不足していると、たとえユーザーが自社サイトを気に入ってくれても離脱率が高くなりがちです。

例えば、ユーザーがWebメディアのコラム記事を読み、関連記事を読もうとしたのに、コンテンツがないようなケースです。

コンテンツ不足による離脱が疑われる際は、ユーザーが求めている情報を網羅できているか確認します。

Google検索での自社サイトのパフォーマンスを分析する「Googleサーチコンソール」を使って、ユーザーがどのような検索キーワードで流入しているか調べるのも一つの方法です。

調査してみて、キーワードに対応する情報が不足しているなら、内容を追加しましょう。また、他の記事を作って内部リンクを貼ることでも離脱率を下げられるでしょう。

>>>Googleサーチコンソールについて詳しく知りたい方はこちら

Google Search Consoleで何ができる?SEO対策に役立つ主な機能を解説

4-3.関連ページへの導線がわかりにくい

関連ページへの導線がわかりにくいとユーザーがコンテンツに気付かず、あきらめて離脱してしまいます。導線がわかりにくいことが特に疑われるのは、滞在時間が長いのに離脱率が高いページです。

狙ったページに誘導できていない場合は、以下のような対策が効果的です。

  • 内部リンクは関連度が高い見出し内に配置する
  • CTAボタンの色やサイズを変える、先頭や途中にも配置する

また、常にルートを表示しておくこともユーザーを迷わせないために重要です。例えば全ページ共通のメニューである「グローバルナビゲーション」を常時表示します。また、「ホーム>商品検索>…」のように現在位置を示す「パンくずリスト」も効果的です。

4-4.外部サイトへの導線が多い

外部サイトへの導線が多すぎると、内部ページを回遊してもらいにくくなります。例えば、アフィリエイト広告が多すぎる、コンテンツよりもバナー広告が目立っている、などの問題があれば離脱率が高くなるでしょう。

対策は、不要なリンクを削除することです。また、リンクをクリックした際に新しいタブを開くように設定する方法もあります。自社サイトがブラウザに残っていれば、閲覧を再開してもらいやすくなるでしょう。

4-5.ページが重く読み込みに時間を要する

ページの読み込み速度が遅いとユーザーはストレスを感じて離脱してしまいます。Googleの調査によると、以下のような結果が出ています。

  • 表示時間が1秒→3秒で離脱率が32%アップ
  • 表示時間が1秒→5秒で離脱率が90%アップ
  • 表示時間が1秒→6秒で離脱率が106%アップ
  • 表示時間が1秒→10秒で離脱率が123%アップ

出典:Find Out How You Stack Up to New Industry Benchmarks for Mobile Page Speed|Google

ページの読み込みが遅い場合は、以下のような対策を実施しましょう。

  • 高解像度の画像を使わない、減らす
  • 応答速度の高いサーバーに切り替える
  • リソース(HTML・JavaScript・CSS)を圧縮して容量を減らす
  • ブラウザのキャッシュを利用する通信設定にする(.htaccessファイルの設定)

5.離脱率を分析・把握し自社サイトの改善につなげよう

離脱率はコンバージョン数を増やしたり、サイトの滞在時間を延ばしたりするために重要な指標です。

離脱率が高い場合は、コンテンツ不足や読み込み速度が遅いなどの原因を特定して、対策を講じていきましょう。自社サイトの運用成果を着実に伸ばしていくには、土台となるスキルアップが重要です。

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