canonical(カノニカル)タグによるURL正規化とは?意味や設定方法について
コンテンツの質やサイトの信頼性、ユーザーの使いやすさなど、Webサイトには気を配るべきポイントが多数あります。このようなポイントを支える要素の1つが「canonicalタグ」です。適切にcanonicalタグを設定することで、検索エンジンから正しく評価され、SEOにポジティブな影響がもたらされます。
本記事では、canonicalタグを設定する意味や書き方、利用するケース、設置する際の注意点を解説します。canonicalタグを適切に使うことで、サイト運営者・ユーザー・クローラーそれぞれにメリットのあるサイト構築ができるので、ぜひお役立てください。
▼目次
1.canonical(カノニカル)タグとは?
2.canonical(カノニカル)タグを設定する意味
2-1.重複コンテンツを解消するため
2-2.リンクの評価を集約するため
3.URLの正規化とは?
4.canonicalタグの書き方と設置場所
4-1.HTMLで記載する場合
4-2.HTTPヘッダーに記載する場合
4-3.WordPressで記載する場合
5.canonicalタグを設定するケース
5-1.計測用のパラメータがURLに付与されている
5-2.重複ページが生成されてしまう
5-3.1つの商品に対して複数のバリエーションページがある
5-4.PCサイトとスマホサイトでURLが異なる
6.canonical(カノニカル)タグを設置する際の注意点
6-1.指定先のURLを全て同じにしない
6-2.指定先URLを間違えると検索結果に反映されなくなる可能性も
6-3.場合によっては301リダイレクトも考慮する
7.まとめ
1.canonical(カノニカル)タグとは?
canonicalタグとは、同じ内容のページが複数存在する場合に、検索エンジンがどのページを正規URLとして評価すべきかを示すHTMLタグです。canonicalタグを設定することで、検索エンジンが重複コンテンツを適切に評価できるようになり、サイト全体のSEOパフォーマンスが向上します。
重複コンテンツにcanonicalタグを設定しなければ、SEOにおいてマイナス評価を受ける可能性があり、順位が下落するかもしれません。そのため、サイト内の記事内容を把握し、適切にcanonicalタグを設定することが重要です。重複コンテンツの見落としがないように、記事の管理にも気を配りましょう。
2.canonical(カノニカル)タグを設定する意味
canonicalタグを設定する意味は以下の2つです。
- 重複コンテンツを解消するため
- リンクの評価を集約するため
canonicalタグを設定する意味を理解することで、適切な場面で利用できます。それぞれの項目を詳しく解説します。
2-1.重複コンテンツを解消するため
canonicalタグを設置すると、複数ある重複コンテンツを1つのURLにまとめられます。サイト内に重複コンテンツが存在すると、検索エンジンがどのページを評価すべきか判断しづらくなり、SEO上のペナルティが発生するかもしれません。canonicalタグを設定して検索エンジンに正規のページを指示すると、canonicalタグが向いているURLのみインデックスされます。
とはいえ、重複コンテンツの基準が分からない方もいるでしょう。明確な基準があるわけではないですが、一般的には記述内容や検索意図が同じ場合に重複コンテンツと見なされる可能性があります。文章や構成が異なる場合でも、内容や検索意図が同じであればcanonicalタグを設定したほうが良いでしょう。
2-2.リンクの評価を集約するため
複数の重複コンテンツが存在する場合、それぞれのページに対するリンク評価が分散してしまいます。例えば同じ内容の記事が3つある場合、それぞれにリンク評価が分散することで、本来なら上位であるにも関わらず正当な評価を受けられないかもしれません。
しかし、canonicalタグを使い特定のURLを正規化することで、リンク評価を集約させてSEO上の評価を高められます。リンクの評価を集約するためにcanonicalタグを設定する場合、上位表示させたいページにリンクが集まるよう設定しましょう。
3.URLの正規化とは?
URLの正規化とは、「重複や類似するページがある際、検索エンジンへクロールやインデックス、評価するURLなのかを伝える施策」とGoogleで定義されています。つまり、重複コンテンツの内の上位表示させたいページをGoogleに伝えるのがURLの正規化ということです。
また、内容が全く同じでもURLが異なる場合、Googleから別のページと認識されて重複コンテンツと見なされるケースもあります。例えば、URLの末尾につく/(スラッシュ)やindex.htmlの有無、httpsとhttpの違いなどです。これらのページのいずれかをcanonicalタグで正規化することで、Googleから正しく評価されます。
4.canonicalタグの書き方と設置場所
紹介するcanonicalタグの書き方と設置場所は3パターンです。
- HTMLで記載する場合
- HTTPヘッダーに記載する場合
- WordPressで記載する場合
canonicalタグの書き方や設置場所は複数存在します。それぞれの方法を比較し、導入しやすいものを検討するとよいでしょう。各項目について具体的なタグを例に解説します。
4-1.HTMLで記載する場合
HTMLの場合は<head>タグ内にcanonicalタグを記述します。そもそもHTMLとは「Hyper Text Markup Language(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ)」のことを指し、サイト内の文章構成や文章の役割を指示する言語です。
HTMLで記述する具体的なcanonicalタグは以下のとおりです。
<link rel=””canonical”” href=””評価を集中させたいページのURLを記述””>
記述する際の注意点は、「相対パス」ではなく「絶対パス」でURLを記述することです。相対パスは現在のフォルダから目的のフォルダへの経路を表し、絶対パスは階層構造の頂点から目的地までの経路を表しています。
相対パスで記述すると、正しくURLを正規化できないかもしれません。Google公式でも絶対パスでの記述が推奨されているので、必ず絶対パスで記述しましょう。
4-2.HTTPヘッダーに記載する場合
通常では前項で紹介したようにHTMLの<head>タグ内に記述しますが、HTTPヘッダーに記述する方法もあります。HTTPヘッダーとは、Webサーバーとブラウザなどが通信するために用いられる文字列のことです。HTTPヘッダーにcanonicalタグを設定する場合は、HTTPレスポンスヘッダーにcanonicalタグを記述してください。すると、HTML内に記述しなくてもcanonicalタグを適用できます。
具体的なタグは以下のとおりです。
Link:<http;//評価を集中させたいページのURLを記述>; rel=””canonical””
4-3.WordPressで記載する場合
WordPressを利用している場合、SEOプラグインを使うことで簡単にcanonicalタグの設定が可能です。いくつかのプラグインがありますが、ここでは「All in One SEO Pack」での設定手順を解説します。
- プラグインをインストールし、有効化する
- 管理画面の左にあるメニューから「All in One SEO Pack」の一般設定に進む
- 「Canonical URL」という項目にチェックが入っているか確認する
- チェックが入っていれば設定完了
投稿ページや固定ページごとにcanonicalタグを設定するには、「カスタム Canonical URLを有効化」にチェックを入れます。ページ下部にcanonical指定先のURLを追加する項目が出てくるので、指定するURLを記載しましょう。
5.canonicalタグを設定するケース
canonicalタグを設定するケースは以下の4つです。
- 計測用のパラメータがURLに付与されている
- 重複ページが生成されてしまう
- 1つの商品に対して複数のバリエーションページがある
- PCサイトとスマホサイトでURLが異なる
Webサイトの運営には、canonicalタグを利用するべき多くのケースが存在します。各ケースに漏れなく対応することで、効果的なサイト運営が実現可能です。それぞれチェックして適切にcanonicalタグを設定しましょう。
5-1.計測用のパラメータがURLに付与されている
Web広告などを出稿した際、アクセス解析などで計測用のパラメータがURLに付与されます。これにより、本来同じコンテンツのページが異なるURLでアクセスできるため、Googleのクローラーから複数のページがあると判断されます。
その結果、重複コンテンツと見なされることがあるため、canonicalタグを設定して正規のURLを指定しなければなりません。URLの違いは以下のとおりです。
通常:https://www.cocoe.co.jp/
パラメーターを付加したURL:https://www.cocoe.co.jp/◯◯◯=◇◇◇
このように、通常のURLの後に特定のパラメーターが付与されます。このような場合はcanonicalタグを設定し、重複コンテンツになるのを防止しなければなりません。
5-2.重複ページが生成されてしまう
CMSの設定やサイト構造の変更などで、意図せず重複したページが生成されることがあります。この場合も、canonicalタグを設定して正規のページを指定し、検索エンジンが適切に評価できるようにしなければなりません。
例えば、「https://www.cocoe.co.jp/」と「https://cocoe.co.jp/」のように、異なるURLでページが生成される可能性があります。このような場合はcanonicalタグを設定し、適切な評価を促すように注意しましょう。
5-3.1つの商品に対して複数のバリエーションページがある
ECサイトなどでは、1つの商品に対して複数のバリエーションページが存在するケースがあります。例えば、アパレルブランドのECサイトページで、サイズやカラーなどのバリエーションがある場合などです。それぞれのバリエーションごとにURLが異なるため、クローラーからは複数ページがあると認識されます。
具体的なURLの違いは以下のようなものです。
- https://www.cocoe.co.jp/kinds/outer/black
- https://www.cocoe.co.jp//kinds/outer/nevy
- https://www.cocoe.co.jp//kinds/outer/white
この場合、canonicalタグで主要な商品ページを指定することで、検索エンジンの評価を集約できます。
5-4.PCサイトとスマホサイトでURLが異なる
PC版とスマホ版でURLが異なる場合でも、重複コンテンツと判断される可能性があります。例えば以下のようなケースです。
- PC:https://www.cocoe.co.jp/pc
- スマホ:https://www.cocoe.co.jp/sp
この場合、PC版のサイトにcanonicalタグを設定します。すると、検索エンジンはPCページのみを評価し、コンテンツの重複を防止できるでしょう。また、スマホサイトの存在をクローラーに知らせる「alternateタグ」を設定すると、正しく認識してもらいやすくなります。
6.canonical(カノニカル)タグを設置する際の注意点
canonicalタグを設置する際の注意点は以下の3つです。
- 指定先のURLを全て同じにしない
- 指定先URLを間違えると検索結果に反映されなくなる可能性も
- 場合によっては301リダイレクトも考慮する
誤った使い方をすると、canonicalタグが逆効果になる場合があるため注意が必要です。
canonicalタグを正しく機能させるために重要な項目なので、参考にしてみてください。
6-1.指定先のURLを全て同じにしない
全てのページで同じcanonicalタグを指定先URLにすると、検索エンジンは異なるページでも同じ内容と判断し、重複コンテンツと認識される恐れがあります。企業の担当者は、各ページの独自の内容に基づいて適切なURLを指定しなければなりません。
例えば、製品ページA(/product-a)と製品ページB(/product-b)がある場合、それぞれのページに対応するcanonicalタグを設定するということです。
以上のように、誤った使い方をするとSEOにおいてマイナスになる可能性があるので、慎重にcanonicalタグを設定しましょう。
6-2.指定先URLを間違えると検索結果に反映されなくなる可能性も
canonicalタグの指定先URLが間違っていると、検索エンジンが正しくページを評価できず、検索結果に表示されなくなる可能性があります。URLを間違えた場合、誤りを修正してもすぐに順位がもとに戻るとは限らないため危険です。正確な指定先URLを確認し、適切に設定することが重要になります。
例えば、製品ページA(/product-a)を正規のページにする場合に、誤って製品ページB(/product-b)を指定してしまうと、検索エンジンが製品ページAを正しく評価できず、検索順位が下がってしまいます。canonicalタグを使い検索エンジンに正しく評価してもらうためにも、指定先URLは間違えないように注意しましょう。
6-3.場合によっては301リダイレクトも考慮する
canonicalタグは重複コンテンツ問題の対処に有効ですが、場合によっては301リダイレクトを使用したほうがよいケースがあります。301リダイレクトは、古いURLから新しいURLへ恒久的に移動し、検索エンジンに対してURLが変更されたことを伝えるものです。これにより、リンク評価が新しいURLに引き継がれSEO効果が維持されます。
301リダイレクトを使ったほうがよい場面は、「サイトやドメインを作り変えるとき」「古くなったURLを変更するとき」の2つです。
上記の場面でcanonicalタグを選択すると、ユーザーが不要ページを回遊することになり、利便性が低下します。利便性の低下はSEOにおいてマイナス評価につながるため、ユーザーが訪問できるページを絞りたい場合は301リダイレクトを設定しましょう。
「301リダイレクト」の詳しい情報は以下の記事をご覧ください。
>>>301リダイレクトの設定方法|行うべき理由と注意点を解説
7.まとめ
canonicalタグは、重複コンテンツの防止や解消、リンク評価の集約などに活用できるHTMLタグです。適切なURLを正規化することで、クローラーに意図が伝わり正しい評価を受けられます。
しかし、サイト全体のcanonicalタグを正しく設定・管理するには、専門的な技術が伴うため難しいものです。もし誤った使い方をすると、SEOでマイナス評価を受けたり、ユーザーの利便性が低下したりする可能性があります。
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