コンバージョン率(CVR)とは?計算式と6つの改善方法を徹底解説!
マーケティング活動において、CVRはWebサイトの成果を判断する重要な指標です。そのため、CVRの向上を求められることも多く、どのように成果を上げていけば良いかと悩む方も多いでしょう。
この記事では、CVRについて以下の解説をしていきます。
- そもそもCVRとは何か
- CVRの算出方法
- CVRが重要視される理由
- CVRの改善方法
CVRの理解を深めて、マーケティング活動の成果を上げる参考にしてみてください。
▼目次
1.CVRとは
1-1.CVR=コンバージョン率
【CVRと紛らわしい言葉:CTRとは】
【CVRと紛らわしい言葉:CPCとは】
【CVRと紛らわしい言葉:CPAとは】
1-2.CVRの計算式
1-3.CVRの目安となる平均値
2.CVRが重要視される理由
3.CVRの目標値の適切な設定方法
4.GoogleアナリティクスでのCVRの設定方法
4-1.GoogleアナリティクスでCVR測定を行う手順
4-2.コンバージョンの確認方法
5.CVRが上がらない理由
5-1.ターゲットに届いていないため
5-2.市場や環境の変化があったため
5-3.サイトの構造に問題があるため
5-4.競合の訴求力が強いため
6.CVRを改善する6つの方法
6-1.ターゲティングを適切にする
6-2.ランディングページを修正する
6-3.導線を改善する
6-4.プロセスをシンプルにする
6-5.CVRの目標を見直す
6-6.離脱防止ツールを導入する
7.CVRを改善して効果的なWebマーケティングを
1.CVRとは
CVR(Conversion Rate:コンバージョンレート)とは、サイトを訪れた人が、どれくらい購入や問い合わせに至ったのかを示す指標です。
CVRはマーケティングの成果を計測する上で重要視される指標の一つであると同時に、誤った知識で目標設定を行うと正しい効果測定ができない要因になることもあります。
また、CVRの他にもCTR・CPC・CPAと紛らわしい言葉が多く、混同してしまう方も多いでしょう。ここからは、CVRに加えてCTR・CPC・CPAについて詳しく解説していきます。
1-1.CVR=コンバージョン率
CVRが表す言葉は、Webサイトを訪れたユーザーに取って欲しいゴールとなる行動が成果(Conversion=CV、コンバージョン)となり、成果を割合(Rate)で表したものです。
例えば、Webサイトのコンバージョンには主に以下のようなものがあります。
- 商品の購入
- 資料の請求
- 問い合わせ
- 会員・LINE登録
- SNSのフォロー
- 旅行や商品の予約
コンバージョンはそれぞれの企業やWebサイトによって任意で決められますが、そのWebサイトで何を成果とするかを見極めることが重要です。
【CVRと紛らわしい言葉:CTRとは】
CTRとは、Click Through Rate(クリックスルーレート)の略でクリック率と呼ばれます。Webサイトや広告の表示回数(インプレッション数)に対して何回クリックされたのかを割合で表す指標です。
例えば、Googleの検索結果画面にWebサイトがどれだけ表示されて、そのうちどれだけユーザーがクリックしてページを開いたのかを測定したり、ページ内に表示された広告がクリックされた回数を測定したりします。
【CVRと紛らわしい言葉:CPCとは】
CPCとは、Cost Per Click(コストパークリック)の略で、クリック単価と呼ばれます。1アクセス獲得するためにかかるコストを指し、マーケティング施策では主に以下の3種類に分類されています。
- クリック課金型の広告そのもの
- クリック課金型の広告におけるクリック単価
- 広告費÷クリック回数で計算される指標
広告表示にかかる費用はオークションで決まります。競合の数や広告の質によって単価が大きく変動し、入札金額を大きくかけても必ず上位表示されるとは限りません。
【CVRと紛らわしい言葉:CPAとは】
CPAとは、Cost Per Action(コストパーアクション)または、Cost Per Acquisition(コストパーアクイジション)の略で、1件の成果(コンバージョン)や顧客を獲得するためにかかる広告費用の指標です。
CPAはかかる広告費用に対して得られる成果を表すため、広告に対する費用対効果を測定するのに有効です。CPAが高いほど利益は減少し、低いほど利益は上昇します。
例えば広告に100万円かかり、コンバージョンが10件あった場合、
広告費用100万円÷コンバージョン10件=CPA10万円
となります。
残したい利益を設定することで、投資できる広告費用を導き出すことが可能です。
1-2.CVRの計算式
CVRは、
CVR(%)=CV(コンバージョン数)÷セッション数(サイトの訪問数)×100
で計算できます。
例えば、サイトを訪れたユーザーが1,000人いて、そのうち100人が購入すればCVRは10%です。
また、セッション数の他にサイトにアクセスユーザー数(UU)や、ページが表示された数(PV)をもとにコンバージョンを導き出す場合もあります。どのような契機をコンバージョンとするかで変化します。CVRを計算する際は、施策やWebサイトの目的に応じて、どのような数値を導き出したいのかを考慮するのが重要です。
1-3.CVRの目安となる平均値
ここでは、顧客分析に特化したContentsquare(コンテンツスクエア)(※)の調査データをもとに、業界別の平均コンバージョン率を紹介していきます。
日本の各業界のコンバージョン率は以下のとおりです。
業種 | 平均コンバージョン率(CVR) |
自動車 | 0.01% |
B2B | 0.1% |
家電 | 0.01% |
エネルギー | 0.01% |
金融サービス | 0.1% |
食料品 | 0.4% |
健康・美容 | 1.2% |
家電用品・家具 | 1.2% |
ラグジュアリー | 2.3% |
メディア | 0.9% |
医薬品 | 0.5% |
通信 | 0.1% |
旅行・サービス | 12% |
グラフの青が世界平均で水色が日本の平均コンバージョン率です。日本では旅行・サービスとラグジュアリー関連が世界平均と比べてコンバージョン率が高い傾向にあります。コンバージョン率が低い業界でも、ユーザーの分析を行い、行動を誘導しやすいサイト設計に改善などを行うことで成果を上げられる見込みは十分にあるでしょう。
(※)出典:Contentsquare|2022年デジタルエクスペリエンス・ベンチマークレポート(日本版)
2.CVRが重要視される理由
CVRが重要視される大きな理由は、目標とする成果に直結するからです。各種Webサイトなどは、サイトに訪れたユーザーの、購入や問い合わせなど企業の成果につながる行動を期待して設置します。
CVRを測定して分析することで、サイトごとの指標が分析できるため、改善ポイントが見えやすく、成果を出すまでの道のりを短縮できるのが大きなメリットです。
例えば、自社で3つのサイトを運用していたとします。
| セッション数 | コンバージョン数 | コンバージョン率 |
サイト全体 | 8000 | 300 | 3.75% |
サイトA | 4500 | 150 | 3.3% |
サイトB | 2500 | 100 | 4% |
サイトC | 1000 | 50 | 5% |
コンバージョン率を考えない場合、コンバージョンの多いサイトAが最も優秀なサイトに見えるでしょう。しかし、コンバージョン率に焦点を当てると、サイトAが最もCVRの低いサイトという結果です。
サイトBは全体で見てもCVRが高く、施策が上手に運用できていると判断できます。サイトCは、CVRは最も高いですが、セッション数が著しく低いことがわかります。
上記の場合なら、サイトAはCVRを高めるための施策、サイトCはセッション数を増やすための施策を行うことで、全体のCVRを大きく伸ばせる見込みが生まれるでしょう。
例のようにCVRに焦点を当てることで、サイト運用の課題が見えやすくなり、施策を考える上で有効な手段になるのを感じ取れたのではないでしょうか。
3.CVRの目標値の適切な設定方法
CVRの目標設定に正しい方法があるわけではありませんが、代表的なやり方として以下のような方法があります。
- 同業界・同商材の平均CVRを参考にして設定
- ユーザーにとって緊急性が高くアクションを起こしやすいCVに絞って設定
- 全業種の平均である1~3%を目標値に設定
CVRは、ゴールとなるコンバージョンによって変動しやすいものです。例えばコンバージョンが資料請求などユーザーにとってハードルの低いものなどはCVRが上がりやすく、単価が高い商品の購入といったハードルの高いものはCVRが上がりにくい傾向があります。
ユーザー数やセッション数など、コンバージョンが自社にとってどのような成果を生むのかを考慮して目標設定を行いましょう。
4.GoogleアナリティクスでのCVRの設定方法
Googleアナリティクスを活用すると、設定した目標に対するCVRの測定が可能です。サイト全体のCVRや流入元別、ランディングページ別のCVRの測定もできます。ここでは、測定するための手順とGoogleアナリティクスでできることについて解説していきます。
4-1.GoogleアナリティクスでCVR測定を行う手順
GoogleアナリティクスでのCVR測定の手順は以下のとおりです。
1.目標設定
ホーム画面左下の「管理」をクリックし、右側に表示される「目標」をクリックします。
「新しい目標」をクリックし、測定したい項目を選択。項目にない場合は「カスタム」を選択し、「続行」→「保存」で目標設定は完了です。
2.コンバージョンの確認
ホーム画面左の「コンバージョン」をクリックします。
4-2.コンバージョンの確認方法
コンバーションの確認方法は以下のとおりです。
◎サイト全体のコンバージョンの確認方法
「コンバージョン」→「目標」→「概要」の順にクリックすると、グラフの下にコンバージョン率が表示されます。
◎流入元別のコンバージョン確認方法
ホーム画面左の「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」をクリックし、画面を下にスクロールすると確認可能です。
◎ランディングページ別のコンバージョン確認方法
ホーム画面左の「行動」→「サイトコンテンツ」→「ランディングページ」をクリックし、画面を下にスクロールすると確認できます。
Googleアナリティクスを活用すると、必要な効果測定が手軽に実現できます。ぜひ有効活用していきましょう。
5.CVRが上がらない理由
CVRを高めるための施策を行っていても、思うように成果が上がらないという現実に直面することもあるでしょう。CVRが上がらない理由には、主に以下4つの理由が考えられます。
- ターゲットに届いていないため
- 市場や環境の変化があったため
- サイトの構造に問題があるため
- 競合の訴求力が強いため
ここからは、上記4つの理由を詳しく解説していきます。
5-1.ターゲットに届いていないため
ターゲットに届かない要因には、主に以下のような理由が考えられます。
- サイトの目的とユーザーが求める内容に乖離がある
- 広告の内容とサイトの情報が一致していない
- キーワードが選定に問題がある
サイトに来るまでに必要なキーワード選定を間違えてしまうと、ターゲット以外のユーザーが多く訪れてしまいます。そのため、広告やサイト情報がユーザーにとって必要な情報ではないと判断され、離脱の原因となってしまうでしょう。
また、広告で魅力的な内容を訴求してアクセスを集められても、サイト内で魅力を裏付ける内容やレビューといったユーザーが欲しい情報がない場合にも不信感を招いてしまう恐れがあります。
上記のような理由でターゲットに届かないと、アクセスは集まってもコンバージョンに至らず、CVRが上がらない事態になってしまうでしょう。
5-2.市場や環境の変化があったため
取り扱う商品やサービスによっては、季節やトレンドによって需要に大きな変化が生まれるものがあります。
需要が変化しやすいものの代表例は、以下のようなものです。
- エアコン
- 食材
- 浴衣
- リクルートスーツ
- 引っ越し
いずれもある時期によって需要が大きく変化するものばかりです。あらかじめ需要が高まる時期がわかっているものであれば、時期に応じて戦略を立てられます。そうでない場合は、定期的な市場調査を行い、変化に対応するスピード感を高める工夫が必要です。
5-3.サイトの構造に問題があるため
サイト構造もCVRを高めるためには重要な要素です。サイト構造に問題がある場合、以下のようなものが挙げられます。
- ファーストビューがユーザーの求める内容ではない
- 情報入力の項目が多いとコンバージョンにつながるまでの負担が大きい
- サイトマップがないなど操作性が悪い
- サイトのワイヤーフレームがユーザー視点でなくわかりにくい
- 問い合わせフォームなどがどこにあるかわかりにくい
上記のような理由があると、サイトを訪れた段階で興味が湧いていた内容でも、サイト内にいるうちに薄れていきコンバージョンにつながりにくくなってしまいます。
5-4.競合の訴求力が強いため
人の購買行動は時代とともに変化していきますが、ほとんどの場合、他社の製品やサービスとの比較や検討を行います。そのため、競合他社の訴求力が強いと、比較検討の段階で競合に流れてしまい、コンバージョンが上がらないという結果になってしまいます。
そのため、競合調査は常に行い、施策の見直しや改善行動をすばやくできるようにしておきましょう。
6.CVRを改善する6つの方法
CVRが上がらない理由が判明したら、どのように改善していくかを検討しましょう。CVRを改善するためには、主に以下6つの方法があります。
- ターゲティングを適切にする
- ランディングページを修正する
- 導線を改善する
- プロセスをシンプルにする
- CVRの目標を見直す
- 離脱防止ツールを導入する
ここからは、上記の改善策を詳しくみていきましょう。
6-1.ターゲティングを適切にする
CVRを高めるためには、はじめにターゲット設定を適切にすることが重要です。ターゲットとなるユーザーがコンバージョンに至るまでに取る行動や思考など、ペルソナ設定やカスタマージャーニーマップ作成を通じて想定しましょう。
ターゲットの思考や具体的な行動が見えてくると、キーワードがより明確になるほか、サイト内の情報の過不足などがはっきりと見えてきます。そのため、ターゲット層以外の流入を防ぐことができるため、CVRが上がりやすくなるでしょう。
ペルソナ設定やカスタマージャーニーマップ作成について詳しく知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。
◎ペルソナ設定
ペルソナとターゲットの違いとは?マーケティング戦略に役立てるペルソナ作成を解説
◎カスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーの考え方、効果的な施策のためのマップ作りと活用方法を解説
6-2.ランディングページを修正する
ランディングページは購入や登録などの直接的なコンバージョンにつながりやすいため、分析と改善の繰り返しが重要です。
ランディングページのCVRを高める上では、以下のポイントを分析していきます。
- ファーストビュー
- キャッチコピー・ボディコピー
- セールスコピー
- クロージング
- 権威性
- 構造・導線
- デザイン
- 操作性
ターゲットを明確にした上で上記のポイントを見直し、繰り返し分析して比較・検証することでランディングページのCVRは向上していきます。
6-3.導線を改善する
コンバージョンの内容に合わせて、サイト内で適切な導線を設計しましょう。例えば、資料請求がコンバージョンとするならば、資料請求に至るまでにユーザーが欲しい情報を組み立て、さらに知りたいと思わせるタイミングで「資料請求する」というボタンが設置されていたらCVにつながりやすいでしょう。また、ランディングページならば、強い訴求力だけでなく、比較検討させないためのレビューを載せるといった導線も必要です。
そこで、以下のポイントも見ておくと良いでしょう。
- CTA(コールトゥアクション)ボタンの場所・文言・色
- 入力フォームの内容が多すぎないか
- PC・モバイルどちらから見ても視認性や操作性に問題がないか
自身が思わず購入した、申し込みたくなったと感じるようなものがあった場合は、導線や上記のポイントなどを意識してみるとCVRを高めるポイントが見つけやすくなるでしょう。
6-4.プロセスをシンプルにする
人はなるべくなら面倒なことは避けたい、手軽に求める物を手にしたいと考えるものです。そのため、コンバージョンに至るまでの道のりはシンプルにしましょう。プロセスが複雑だったり、必要な操作が多かったりすると離脱してしまう可能性があります。
シンプルさを実現するには、以下のようなポイントを見ておきましょう。
- 可能な限りスクロールせずに情報が読み取れるかどうか
- すぐに問い合わせなどができるようCTAボタンが常にアクセスできる場所にあるか
- 振り返りたい情報に飛べるようにショートカットできるメニューがあるか
- モバイルで見ても必要な情報が途切れたりしていないか
上記は一例ですが、ユーザーにとって可能な限り面倒なことを省いていくと、操作性や快適性の不足で離脱することは減少していくでしょう。
6-5.CVRの目標を見直す
CVRは何を成果に設定するかで達成のしやすさが変化します。そのため、成果に応じたCVRの適切な目標値の設定ができているか見直しましょう。
例えば、商品の購入を成果とする場合はユーザーにとってハードルが上がるためCVRは上がりにくくなり、一方、メルマガの登録を成果にすることで、CVRは上がりやすくなります。成果を何に設定するかによってCVRの目標値は適切に変える必要があります。
今のCVRの目標値を達成できないのであれば、目標値が高すぎる可能性があります。その場合は、CVRの目標値を下方修正した方が良いかもしれません。
求める成果に至るまでに段階を踏む必要があるのか、業界の平均値よりも高すぎる目標設定にしていたのかなど、目標値が自社の施策で導き出せる現実的な数値であるかを考慮してみると良いでしょう。
6-6.離脱防止ツールを導入する
ユーザーのサイト離脱を防ぎ、CVRを高めるサポートが可能な離脱防止ツールやWeb接客ツールを活用するのも有効な方法です。具体的には、以下のような対策が可能です。
- サイトを離れようと離れようとしたときなど、指定条件でポップアップを表示する
- 購入途中で離脱したユーザーに再アプローチメールの送信
- 「あと〇〇円で送料無料」といったお得情報やクーポンなどのポップアップ表示
- 疑問に応えられるチャットでユーザーの悩みを即時解決
上記の対策の他に、顧客情報の取得が可能です。サイト内におけるユーザーの詳細な行動分析もできるようになるため、上手に活用できればCVR向上に役立てられるでしょう。
7.CVRを改善して効果的なWebマーケティングを
マーケティング施策において、CVRを高めることは見込み客の獲得や直接的な売り上げなどの成果に結びつくためとても重要なものです。CVRを高めるためには、詳細なターゲット設定と何を成果とするのかを見極めることがスタートラインとなります。
また、CVRを高める施策には、デジタル技術やIT知識が必要になる場面が数多くあります。そのため、社内にITやデジタル技術に精通する人材の確保は欠かせません。社内でDX人材を育てるなら、座学と実践によって、現場で活かせるスキルを習得できる「DX人材講座」を利用してみてはいかがでしょうか?
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